タヤマ役/大塚邦忠さん/禁断の密告レポート
「収録前から盤石のイメージ」
満場一致
タヤマは「魅力ある敵方」という、難しい役どころである。
だが意外にも、担当していただく声優さんは、すんなりと決まっている。
まさに満場一致であった。
実はタヤマの台詞は、声優さんが決定する前から大塚邦忠氏を強く意識して書いている。
他作品で氏の声を拝聴しつつ執筆をしていたほどである。
ゆえに、担当していただく声優さんが正式に氏に決定したときは、むしろ我が耳を疑ったほどだ。
氏は、「海ヘビ」と呼ばれる武器を持つモビルなスーツのパイロットや、酔って強くなる拳法を描いた2作目の映画のラスボスなど、インパクトのある悪役を数々演じている。
正直、筆者はお会いする前に少しビビっていた。
和やかなオーラ
収録スタジオにやってきた氏は、とても和やかな雰囲気の方であった。
氏を目の当たりにし、筆者は解毒の乳液を得たかの如く、緊張が解けていくのを感じていた。
魅力的な敵役
氏の演技によって、我々が思っていた以上に、タヤマに説得力が増した。
タヤマから発せられる氏の声には、その非道でさえも正論に聞かせてしまう力がある。
単なる「東京の暴君」に留まらないタヤマの魅力が、氏の演技によって一層、引き出されたのである。
盃を頂戴す
収録後にお写真をお願いした。
タヤマの設定を加味して、「盃を交わす」のイメージで撮影を試みる。
だが、氏の圧倒的な存在感に圧され、筆者は再び、ビビっていく。
六本木にいる先輩のサムライも、この存在感に圧倒され、あの状況に至ってしまったのであろうか。
真に「すごい人」のオーラに触れたような気がした。